【金管奏法講座】呼吸編 ブレスのトラブルはほとんどの場合ブレスが原因ではない。

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演奏上の不都合の大部分をブレスや呼吸法で解決しようとするような考え方にしばしば出会いますが、少し危険かと思います。

呼吸の仕組みは本当にシンプルで、僕のレッスンでの呼吸の部分は大人の方は目からウロコでこんなに楽になってしまって多少の罪悪感すら感じるとおっしゃる方もいるくらいですが、小中学生相手に同じことをやっても「そんなの当たり前じゃん!」くらいの反応です。その後発声を組み合わせた上で楽器を吹くと目を輝かせて「吹きやすい!」と言ってくれます。

どういうことかというと、本来誰もが出来ていたことなのに、演奏上の問題をブレスのせいにしてしまったばかりに、本来の仕組みから遠ざかってしまっているのです。

呼吸はそんなに難しいことではない。

上手くいかないとすればそれは呼吸だけの問題ではありません。

呼吸を向上させることで上達することはあっても、呼吸だけが原因で奏法トラブルが起きることは非常に希です。

例えば、フレーズの間の短いブレスがうまく取れない人。

素早く吸う練習をしがちですが、それでは解決しません。素早く吸えない理由は息を吐けていないから。なぜ吐けないかといえば息が自然と流れるような吹き方になっていないからです。

例えば発音の不具合を息の初速のせいにする人。

どんなに息のスピードを上げたところで音が汚くなるばかりで、発音の不安は解消されません。原因は発声や口の中の形が整っていないことによるアンブシュアのトラブルです。

なんでもかんでも呼吸のせいにして呼吸で全てを解決しようとするような姿勢では負の連鎖を立ちきれません。泥沼にはまってしまいます。

呼吸・発声・口の中の形・発音原理などきちんと理解して順番に整えれば自然に解決するもの。吹き方が整うことで自然なブレスを取り戻すことができます。

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