.jpg)
音楽大学を卒業すると、多くの人がフリーランスで音楽活動を始めます。
演奏活動をしたり、吹奏楽部のコーチとして指導したり、人によっては作編曲でも活躍したり…人それぞれ様々な形で仕事を始めます。
しかし、音楽活動だけで生計が立つ人というのは本当に一握りで、多くの人はアルバイトをしながらコンクールやオーディションに向けて準備をしたり、活動の幅を広げるために地道に努力を重ねていくというような状況でした。
「まだバイトやめられないんだ。早くやめられるようになりたい。」という会話が日常的に繰り広げられました。
僕も卒業後、2~3年の間は様々な活動を実現するためにバイトをする、そんな生活をしていました。そして、縁あって教職に就き、4年の間、学級担任・音楽主任・吹奏楽部顧問を始め様々な経験をさせていただきました。その後独立して再びフリーランスの音楽家として活動しています。
卒業当時と現在の活動は比較にならないほど違いますが、多くの軸を持って活動を成り立たせるという意味では共通するものがあります。
「プロティアンキャリア」という言葉がありますが、多数の軸をもち変幻自在に活動するという意味では当時も今もそうなのかもしれません。
ただ圧倒的に違うのが自分自身の中にある情報と経験。
卒業当時は、音楽活動(生活費含め)の資金調達のためにバイトするというような感覚でしたが、現在は自分にでき得る貢献を詰め込んで開業した教室をベースに演奏活動、教育活動、地域活動などに勤しんでいます。
また、キャリアの勉強の一環と収入の何個目かの軸として、ここ2ヶ月ほど従事している職場があります。
この職場は勤務時間から給与まで何から何まで全てが自己裁量。来たいときに来て働くという働き方です。来る来ないの報告も必要ありません。驚くべき条件ですが、このような勤務形態も増えてきているのだとか。
そのような勤務条件から、フリーランスの方や個人事業で仕事をしている兼業・複業の方も多く、音大卒の音楽家もいます。
アルバイトでは時間の拘束があるので、音楽活動との両立も意外と大変ですが、こんな環境だったら両立しやすいだろうと思います。今の僕は平日の午前中が比較的空いているのでその時間を有効に活用させていただいています。
大学を卒業したばかりの演奏家の方でしたら、演奏とこの仕事に絞ると生活の糧を確保しながら安心して演奏活動に集中できるかもしれません。
自分の練習時間も確保でき、本番やリハーサルも支障なくスケジュールを組めます。
もし僕が大学院時代や修了後にこういう雇用形態があることを知っていたら、バイトではなくこちらを選んでいただろうな…と今更ながら感じます。(もしご興味ある方いらしたらご相談ください。おそらく聞いたことのある有名企業です。)
第一次フリーランス時代は深夜にバイトをして、朝そのまま朝練の指導に行き、論文の準備や練習、活動のための事務作業をして、放課後の部活指導に行き、リハーサルに行って、またバイト…みたいなとんでもない生活をしていました。24時間戦えましたが今は無理です。
“知っているか知らないかの違い”はとてつもなく大きいものです…
Web媒体で容易に仕事を探せる昨今。仕事を探す方法も勤務形態も多様です。
音楽で生きていくという事はとても素敵なことですがその反面、自分でキャリアを築いていかなければならない大変さもあります。
教室の生徒で、将来はこんな仕事につきながらこんなふうに音楽活動を続けていきたいと明確なビジョンを語ってくれる高校生も何人かいます。本当に素晴らしいことです。
その人らしい音楽活動と生活の充実の両方を取ることができる音楽ライフをサポートできる人になるべく、きちんと自ら経験した上で学びを深めていきたいと思います。
キャリアカウンセリングの勉強や進路指導の経験も活かしながら、実体験に基づいたサポートを行います。
この記事へのコメントはありません。