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中学校で吹奏楽部の顧問をされている先生とのレッスンでのこと。
顧問になられてから、まだあまり時間が経っていないそうで、子供たちにもそれ以前のやり方が根強く残っているそうです。
特にその先生が気にされていたのが呼吸。
「お腹に力をいれて、肩を上げないように」息を吸うようにしていると…
では、ちょっとやってみましょう。
お腹にぐっと力を入れて
肩を上げないように…
どうですか?吸えます…??
これでは、わざわざ息を吸えないようにして、それに抵抗するように息を吸うような感じです。
明らかに逆行しています。
でも子供たちはそれを信じてやってきたわけです。
頑張って取り組んできたものを手放すというのは簡単なことではありません。
たとえ手放さないことの方が不都合であっても。
では、この勘違いを取り除いてあげるにはどうしたら良いのでしょう。
こんな道筋でお話しています。
①今までのやり方に代わる、新しいゴールを示す。
②そこに至る道筋を示す。
③具体的な練習方法を提案する。
④体感を得ることによって納得する。
「あ!吹きやすくなった!」
という体感はとてもパワフルな説得力をもちます。
しかし、それでもなお
「いや、でも前の方が…」
という気持ちが拭い去れないと思います。
だってこれまでこんなに頑張ってきたんだから…
「今までの努力はなんだったの??」
それを乗り越えるには、自分の考え方と対決する過程が必要です。
本当にたどり着きたいゴールはどこなのか。
そのために必要な考え方はどちらなのか。
自分が納得して初めて動き出せます。
人の考え方を変えることはできないけれど、気づきやきっかけを惜しみなく提供していきたいものです。
「頑張ってる自分」がゴールなのか、
それとも、
「生き生きとした演奏表現」がゴールなのか。
とにかく体感が大事。
その変化を自分で起こせるようになれたらもっと音楽が楽しくなるはずです。